当サロンでは、施術の前に必ず「腹診(ふくしん)」を行っています。
初めて来院された方から、
「お腹を押して何がわかるのですか?」
「肩こりなのに、なぜお腹をみるのですか?」
「腰痛とお腹は関係あるのですか?」
と質問をいただくことがあります。
実は東洋医学では、お腹は身体全体の状態を映し出す鏡のような存在と考えられています。
肩こりや腰痛、頭痛、不眠、自律神経の乱れなど、一見お腹とは関係のなさそうな症状であっても、お腹を診ることでその方の今の状態を知るための大切なヒントが得られるのです。
お腹には身体の状態が表れる
私たちは普段、自分の身体の緊張に気付いていないことがあります。
仕事や家事、人間関係のストレス、睡眠不足、疲労の蓄積などによって、自律神経は常に影響を受けています。
すると、
・呼吸が浅くなる
・胃腸の働きが低下する
・肩や首に力が入る
・眠りが浅くなる
・疲れが抜けなくなる
といった状態が起こります。
このような変化は、お腹にも表れます。
例えば、
お腹全体が硬く張っている方。
お腹が冷えている方。
逆に力が入らず、ふにゃっとしている方。
触れるだけで不快感や圧痛がある方。
実際に腹診を行うと、ご本人が気付いていない身体からのサインが見つかることも少なくありません。
「そんなにお腹が硬いんですか?」
「押されるまで気付きませんでした」
と驚かれる方も多くいらっしゃいます。
自律神経の状態もお腹に現れる
特に近年は、自律神経の乱れによる不調を抱えている方が増えています。
・眠れない
・途中で何度も目が覚める
・朝起きても疲れが取れない
・動悸がする
・不安感が強い
・常に緊張している
・イライラしやすい
こうした症状をお持ちの方は、お腹に特徴的な反応が出ることがあります。
常に力が入っていて、お腹がカチカチになっている方もいれば、逆に力が入らず、お腹が支えられないような状態になっている方もいます。
身体は無意識のうちに、ストレスや疲労に対応しようと頑張っています。
しかし頑張り続けることで、本来リラックスするはずの時間にも身体が休めなくなってしまいます。
腹診は、そのような身体からのメッセージを読み取るための大切な時間でもあります。
東洋医学では「症状」だけをみない
例えば同じ肩こりでも、
仕事による筋肉疲労が原因の方。
ストレスによる緊張が強い方。
睡眠不足が続いている方。
胃腸の弱りから起きている方。
冷えや血流の悪さが関係している方。
実は原因は人によって異なります。
そのため東洋医学では、「肩がこっているから肩だけを治療する」という考え方ではなく、その症状がなぜ起きているのかを全身から判断していきます。
腹診は、そのための重要な検査のひとつです。
今の身体がどのような状態にあるのか。
どこに負担がかかっているのか。
どのくらい回復力が残っているのか。
そうしたことを確認しながら施術内容を決めていきます。
なぜ最初に腹診をするのか
施術を行う上で私が大切にしていることがあります。
それは、
「身体が今、どこまで刺激を受け入れられる状態なのか」
を確認することです。
疲労が強い時や緊張が強い時に刺激を入れ過ぎると、身体はさらに頑張ろうとしてしまうことがあります。
強い刺激が必ずしも良い結果につながるとは限りません。
特に自律神経が乱れている方や慢性的な疲労がある方は、まず身体が安心できる状態を作ることがとても大切です。
腹診によって現在の状態を把握し、その日の身体に合った刺激量を見極めながら施術を進めていきます。
腹診後に起こる変化
腹診を行い、施術によって身体が整い始めると、
「呼吸がしやすくなった」
「お腹が柔らかくなった」
「肩の力が抜けた」
「身体がポカポカしてきた」
「自然と眠くなった」
という変化を感じる方が少なくありません。
実際に施術前はお腹が硬かった方が、施術後には柔らかくなり、呼吸まで深くなることがあります。
これは単にお腹が柔らかくなっただけではなく、身体全体の緊張が緩み、自律神経がリラックスモードへ切り替わり始めたサインでもあります。
お腹は身体からのメッセージ
お腹は普段あまり意識しない場所かもしれません。
しかし東洋医学では、お腹は身体の状態を知るための非常に重要な場所です。
肩こりや腰痛、頭痛、不眠、冷え、むくみ、自律神経の乱れなど、さまざまな不調の背景を教えてくれるヒントがたくさん詰まっています。
だからこそ当サロンでは、施術を始める前にまずお腹を診させていただきます。
症状だけを見るのではなく、その日の身体全体の状態を確認しながら、その方に合った施術を行うためです。
お腹は身体からの大切なメッセージ。
その声に耳を傾けながら、一人ひとりのお身体と丁寧に向き合うことを大切にしています。

